地区の、ある小さな大会で、同じ会場内で女子のレースも行われていた。
その中で、コイツと同じ。
はちみつ色をした女の子が、そう呼ばれていた。
「あ……っ、すみませんっ。私、余所見していて……」
「いや、俺も考え事してたから……」
その子とは会場で、すれ違い様に偶然身体がぶつかって。
衝撃でよろけた彼女の身体を咄嗟に支えれば、そのはちみつ色の肌がやけに印象的に、目に焼き付いた。
「―――…ィっ!早く行かないと間に合わないよ!」
「あ……、ごめん!今行く!……あの。本当に、すみませんでした……!それと、ありがとうございました……!」
短く切り揃えられた黒髪を揺らし、チームメイトの元へと帰っていった彼女は、輪の中心で、太陽みたいな笑顔で笑っていて……
そんな彼女のことを、チームメイトは、みんな口々に、こう呼んでいた。



