「そういえば……お前、名前がないな」

「にゃあん!」



子猫と出会って数日が経った頃、ふと、気になったこと。


そうだ。今更だけど、コイツに名前を付けてやろう。


いつだって俺を癒してくれる、可愛いコイツに似合う名前を付けてやろうと思った時、ふと……脳裏に過ぎった遠い日の記憶――――



「……はちみつ色、」



はちみつ色の目をした子猫と同じ。

昔。俺が中学生で、水泳部に入っていて、毎日が輝いていた、あの頃に出会った……女の子のこと。