俺が住んでいるマンションはペット禁止だし、飼いたいけれど、どうしても飼うことができない。
唯一、いつもつるんでいる幼馴染みの潤の家には、性格の悪い潤ソックリの王様的な室内犬がいるから、猫を飼うのは無理だろう。
だとしたら、どうすればいい。
「にゃあ〜!」
「なんだよ。もう、食べ終わったのか?」
けれど迷っている内に牛乳とパンを綺麗に平らげたソイツは、今度は甘えるように俺の膝の上によじ登ると、気持ちよさそうにウトウトと微睡み(まどろみ)だした。
それが可愛くて、思わず顎の下を指先で撫でれば、やっぱり気持ちよさそうに、はちみつ色の目を細めるソイツ。
その姿を見ていたら、この体温を手放すことが惜しくなって。
例えこれが俺のエゴだとしても、コイツが俺に飽きるまでは側にいてほしいと願い、それから欠かさずに、子猫の待つ場所へと足を運び続けた。