「お前……どこから、迷い込んだんだよ。お前の親は?仲間は……、どこ行った?」


「にゃあ、にゃあ」



真剣にそう問い掛けてみても、まさか猫語がわかるはずもなく。


それでも俺に一心に身を預けるソイツが、愛しいと思った。



「ちょっと待ってろ。今、購買で何か買ってきてやるから」


「にゃあ!」



柄にもなく駆け足で購買へと向かい、牛乳とパンを買って。


どこかの部活で使って置き忘れたらしい紙皿を手に、子猫の元へと急いだ自分。



「ほら、こんなとこで一人でいて、お腹空いてただろ?」


「にゃあ〜」



案の定、パンを牛乳に浸してあげれば、美味しそうに飛び付く子猫を見て、思わず零れた笑み。


必死にそれを食べる姿を横で眺めながら、これからどうしようかと考えた。