「一度でも……振り向いたら……諦められないような気がして……っ。例え室内のプールで、太陽の下じゃなくても……もう二度とっ、水泳部を思い出すことがなくなるまで、泳がないって、そう、決めて……。だから、私……っ」
そうでもしないと、何もかもを諦められないくらいに、あの時の私は子供で。
中途半端なままじゃ、また、みんなと泳ぎたいと思ってしまうから。
いつまでも、夢に、しがみついたままになってしまうから。
私は私なりに、自分に与えられた現実を飲み込むのに必死だったの。
例え太陽に嫌われても、前を向いていなければと必死だった。
だけどこんな気持ち、誰にも理解してもらえないだろうって思ってた。
「……別に、もう諦める必要、ないだろ」
「っ、」
「俺がいる」
「……え、」
「俺が――――もう一度、美月を太陽の近くに連れて行く」



