「く、日下部、くん……っ」
「……ん。泣いていいよ」
でもね、私……もう、嘘はやめようなんて言いながら。
……本当は、羨ましかった。
同じ夢を見るチームメイトと泳げる、日下部くんのこと。
眩しい太陽の下に広がる青い水面に飛び込める日下部くんが、心の底から羨ましいと思ったなんて言ったら、呆れられちゃうかな?
そんな気持ち、3年前の夏に置き去りにしてきたはずなのに。
全てを、あの夏に諦めたはずなのに、今更自分がこんな気持ちになるだなんて、思ってもみなかった。
日下部くんと出会って、また夢を見るなんて、そんなこと……思ってもみなかったの。



