「う……っ、ふ、う……ぅっ、」
思わず嗚咽が口から漏れ、隠すように俯けば、日下部くんの大きな手が後頭部に回されて……
そのまま、日下部くんの胸へと引き寄せられた。
「お前の嘘くさい笑顔より、今みたいに泣いてくれた方が、よっぽど安心する……」
溜め息混じりにそんなことを言う日下部くんは、私の頭に顎を乗せて大袈裟に息を吐く。
その言葉と体温が、嬉しくて。
思わず日下部くんのシャツを掴めば、懐かしい、塩素の匂いが私の鼻孔をくすぐった。
――――ねぇ、日下部くん。
日下部くんから、過去を打ち明けられた時。
これはきっと運命じゃないかなんて、そんな、馬鹿みたいなことを思ったんだって言ったら、日下部くんは笑うかな?



