突然私を呼ぶ声がして、弾けるように顔を上げた。
すると、視線の先。
そこには息を切らせて、相変わらず不機嫌そうに眉根を寄せた――――黒髪の日下部くんが、私を睨むように見ていて。
「く、日下部く、」
「っ、」
そんな日下部くんは怖い顔をしたまま、真っ直ぐに私の前まで歩いてくると足を止める。
ど、どうして日下部くんがここに……!?
さっきまで、プールにいたはずじゃないの……!?
そもそも、優勝したなら、まだ表彰があるはずじゃ……っ。
混乱しながらも慌てて立ち上がれば、更に射るような視線を送られて、思わず喉を鳴らした。
はちみつ色の髪じゃない、黒髪の日下部くんはまだ見慣れなくて、なんとなく、日下部くんが日下部くんじゃないような……
太陽のように、遠くに行ってしまったような気がして……胸が、寂しさに襲われる。



