あと、数メートル。 あと、少し。 あと、本当に僅かな差で。 お願い、神様……っ!! 『し、しかもっ!潤も驚いてたんだけど、陽くん、髪が、いつもの色じゃなくなってて――――』 「……っ、日下部くんっ!!頑張れっ!!!」 ミドリの声を遮り、私がそう、声を張り上げた直後。 今日一番の歓声が学校中に響いて、日下部くんの姿が…… 太陽に照らされて輝いていた、はちみつ色の髪を――――黒く染めた、日下部くんの姿が。 あっという間に涙で滲んで、見えなくなった。