『そ、それで私も今、急いでプールに来てるんだけど……っ。なんかもう、陽くんが出てるせいで人が凄くて中に入れなくて……っ!』 ミドリの声を聞きながら、私は前のめりになって、瞬きも忘れるほど必死に、日下部くんの姿を追い掛けた。 力強く美しいストローク、水を掴む手のひら、水面ギリギリをキックする脚。 昨日見た、日下部くんの姿と同じ。 やっぱり、あれは日下部くんに間違いない……! 誰よりも美しいフォームで泳いでいく日下部くんは、たった50メートルの間に2位と1位のクラスとの差を詰めていく。