『美月が横断幕の教室に向かって、しばらくしてから潤が体育館に来て……っ。潤は水泳でしょ、なんでここにいるの?って聞いたら、陽くんが突然、水泳とバスケを変わってくれって言ってきたって、それで――――』
ここからは、遠過ぎて、ハッキリと顔を見ることができない。
でも。
私には、わかる。
第2レーンのスタート台に立ち、真っ直ぐに前を向く彼。
空気を裂くような歓声の中、私たちのクラスメイトが今まさに泳いでいて、日下部くんはアンカー。
大きく水しぶきを上げて泳いできたクラスメイトは3位で、1位と2位のクラスのアンカーたちが次々にスタート台から入水していく中、3番目に飛び込んだ日下部くんは――――
「っ、」
昨日の、夜と同様。
無駄な水飛沫を立てず、やっぱり水の中に吸い込まれていくように姿を消した。



