「そういえばさ、陽くんの姿、見当たらなくない?」
「え?」
そんなミドリが表情を変えて私を見たのは、バレーの試合が終わってから、少し経った頃だった。
大きな体育館を半分に分けた反対側では、男子のバスケがやっていて、私たちのクラスの男子も参加している。
本来ならその中に、バスケを選択している日下部くんの姿があるはずなのに……
ミドリの言うとおり、そこに日下部くんの姿が見当たらない。
「陽くんがいないせいで、陽くん目当てでスポーツ祭に来た女の子たちが今にもクレームでも言ってきそうなくらい怒ってるし?美月、何か聞いてないの?」
眉根を寄せて私を見るミドリに、思わず体育館の中を見渡した。
確かに、コートの中には日下部くんの姿はなくて。
もしかしたら補欠とか……?なんて思ったけど、補欠の選手もベンチにはいるはずだし、そもそも運動神経抜群な日下部くんがベンチ要員とは思えない。



