ギシリ、と。小さく唸ったベッド。
それと同時、甘い香りが鼻孔をくすぐって、それが倒れる直前に感じたものと同じだということに気がついた。
ああ、やっぱり、私を助けてくれたのは日下部くんだったんだ。
ゆっくりと数回瞬きを繰り返した先。
たった今の今まで離れていた距離は一気に近付いて、私が身体を預けているベッドに腰を下ろした日下部くんは、眉根を寄せながら私を見つめている。
「まだ……ちょっと、顔色は悪そうだけど」
「っ、」
けれどそう思った矢先、突然覗き込むように見つめられ、その距離の近さと近くで見ても整い過ぎている顔を前に、思わず顔が熱を持つ。
そんな私の心情を知る由もない日下部くんは、眉根を寄せたまま私の言葉を待っているようだった。



