「肉離れだって言われて……俺のせいで試合に負けたのに。誰も、怪我をした俺のことは責めなかった。仕方がなかった、お前はよくやった……って。
……だけど、」
――――その言葉が、何より辛かった。
ぽたり、ぽたり、と。
水面を揺らすソレは、濡れた髪から落ちる水滴か、それとも涙でも零れているのか。
それさえも曖昧なまま、ひたすらに真っ黒な空を眺めていた。
「それから、俺はケガの回復を待つより先に水泳部を退部して。絶対に水泳部には戻らないって意思表示のために、傷んでいた髪を故意に脱色して……」
時間が経てば真っ黒に焼けた肌も白さを取り戻し、歯の白さも目立たなくなって。
塩素で傷んだ髪を脱色して部活なんか出来ない見た目にして、それまで培った努力でできた勲章を、全部無くしてしまいたかった。
「ホント……呆れるくらい、情けないな」
思わず零した自嘲の笑みに、揺れる水面へと視線を落とせば――――大嫌いな、はちみつ色の髪が滲んでいた。
「っ、」
それを拳で叩けば、上がった水飛沫にミィが「にゃあん」と抗議の声をあげた。



