はちみつ色の太陽

 



「それなら良いけど……でもそれ、病院とか……」


「……病院なら行ったよ。そしたら医者にも、大丈夫だって言われたから」



会場の控室で心配そうに俺を見る水嶋に笑顔を見せながら、右足に巻いたテーピングの確認をしていた。


……本当は、病院なんて行ってない。


だってまさか、こんなことになるなんて思ってもみなかったんだ。


昨日の帰りの事故で、車と接触した時に勢い良く倒れてコンクリートに右の太腿と肩を強く打ち付けて。


それでもその時は、自分が車と接触したことに、ただ驚いて、頭が回らなかった。


身体の痛みだって、その時はそれ程でもなかったし。


だから、その後も普通に家に帰って、お風呂に入って明日は朝が早いからって早めに寝て。


なんとなく、足を見て黒ずみが出来てるな……くらいで、それ以上気に留めることもないくらい、本当にいつも通りの夜だったから。


朝起きたら――――その右足に自分が違和感を覚えるだなんて、考えてもみなかったんだ。