はちみつ色の太陽

 



「……日下部、それ、本当に大丈夫か?」


「全然。これくらい、余裕だよ」



晴れてレギュラーを手にしてから初めての大会は、皮肉にも三年生が引退を迎える最後の大会だった。


そんな大切な試合の前日、俺は部活帰りに自転車で車と接触するという事故に遭って。


まだ知識の乏しかった中学時代。


俺は自分の自転車が相手の車を傷付けてしまったことばかり気にして、接触した車のナンバーも相手のことも何も聞かずに事を済ませてしまった。


今になって思えば、車を運転していた相手が100%悪い、交通事故だったのに。


「本当に悪かったね」とだけ言い残して去って行ったドライバーは、そんなことを教えてくれるはずもなく、無知な俺には痛みだけが残った。