「日下部!やったな!俺たち、ついにレギュラーだぞ!」
「水嶋……お前、浮かれ過ぎだろ。レギュラーになった以上、今よりもっと練習しないと先輩たちに申し訳ない」
「なーんだよ。せっかくレギュラー貰えた日くらいはさ、浮かれてもいいだろ!お前だって本当は死ぬほど嬉しいくせに!」
「……うっせー」
毎日の練習で、真っ黒に焼けた肌。
笑うと、やけに白く目に映る歯。
塩素で傷んだ髪も、全てが俺たちの勲章だった。
部活終わりの帰り道、水嶋と肩を並べながら軽口を叩き合ったこと。
二年生にして初めてレギュラーという座を貰って、浮かれていた夏。
俺は――――自分の幼いワガママで、取り返しのつかないことをした。



