……よかった。
そんな二人の様子に思わず安堵の息を吐いた私は、今更自分が指が食い込むくらいにフェンスを強く握っていたことに気が付いた。
と。
その手を離した瞬間、ギィ……と小さく唸って開いた扉。
よくよく見れば扉に付いている鍵は開いていて、誰かが締め忘れたんだと拍子抜け。
そのまま静かに扉を開けると、日下部くんとミィちゃんの待つプールへと真っ直ぐに歩いて行く。
ミィちゃんをビート板に乗せたまま、私の方へと静かに振り返った日下部くん。
はちみつ色の髪は濡れていて、月の光を映した水滴がキラキラと光りながら、日下部くんの輪郭を優しくなぞる。
水に浸かったまま佇んで、私を真っ直ぐに見据えるその綺麗な瞳と目があった瞬間、何故だか無性に泣きたくなった。



