「、」
それは、日下部くんと私が二人で、再び学校の外へと出ようとした時だった。
にゃあ、と。突然耳に届いた、可愛らしい声。
プールの横を通り過ぎようとしていた私たちは同時に足を止め、お互いに顔を見合わせる。
「い、今――――」
「にゃあ、にゃあん」
「っ、」
――――聞こえた。
日下部くんがそう呟いた瞬間、私たちは二人で声のした方へと駆け出していた。
そして、プールの入口。
フェンス越しに中を見れば青く揺れる水面の上で、真っ白なビート板に乗っている真っ黒な姿と、日下部くんと同じ、はちみつ色の目が小さく光って――――
「……ミィっ、」
そう声を上げた日下部くんを確認する間もなく、軽々とフェンスを乗り越えた日下部くんは、そのまま迷うことなく――――制服のまま、プールの中に飛び込んだ。



