『美月、本当にごめんね……お母さんがしっかり、戸締まりの確認をして行けば……』
お母さんの心底申し訳ないという声に、お母さんのせいだけではないよと、ありきたりな慰めの言葉を掛ける。
以前飼っていた猫が亡くなってから、どこか沈んでいた家族にとって、ミィちゃんは私たちの癒やしとなっていて。
人懐っこくて、愛らしくて、おてんばで。
私だって、今ではもう、そんなミィちゃんが家からいなくなることなんて考えられないし、考えたくもない。
「……ミィちゃんがいなくなってから、どれくらい時間は経ってる?」
自分でも、ハッキリとわかるくらいに声は震えていた。
心臓も、バクバクと不穏な音を立て続けているけれど、今はそれを気にしている時間さえ惜しい。
『お母さんが夕飯の買い物にスーパーに行く時は、家にいたから、多分、2時間前くらいかしら……』
「……わかった。私も今から帰るし、帰りに探しながら帰るから」
『ごめんね、美月……。もう外も暗くなってきたから、美月も気を付けて帰ってきてね』
「うん。じゃあ、また後でね」



