「……日下部くんの、ばか」
思わず、ぽつりと言葉を零して机の上に突っ伏した。
……こんな、八つ当たりをしてる場合じゃないのにね。
もう外も暗くなってきたし、私も帰らなきゃ。
明日は、いつもより早く学校に来なきゃいけないんだから。
やらなきゃいけないことが、たくさんあるんだから。
「っ、」
と。そんな事を考えて、静かにその席から立とうとした矢先。
スカートのポケットに入れてあった携帯電話が突然震えて、私は慌ててそれを手に取った。
無機質な振動音だけが、静寂に包まれた教室に木霊する。
……家から?
画面を見てみれば、【自宅】の文字。
何の用だろうと疑問に思いながら指先で画面をスライドして携帯を耳にあてがえば、今度はお母さんの焦ったような声が私の鼓膜を震わせた。



