「日下部くん……」


「……なんだよ」


「夏休みに会った、水嶋くんは……日下部くんの、友達?」


「……は?」


「日下部くんは、中学生の頃、水泳部だったの……?水嶋くんと、水泳と……日下部くんの間に、何があったの?」



気が付けば私は、胸に蔓延る(はびこる)疑問を声にして、日下部くんへとぶつけていた。


それに、弾けたように私の方へと振り向いた日下部くんは、目を見開いて固まり、真っ直ぐに私を見つめる。


ねぇ、日下部くん。


もし……もしも、日下部くんの心を締め付ける何かが、そこにあるなら。


私は、日下部くんのその過去を、重りを、少しでも無くしてあげたいと思うよ。


日下部くんが、私にしてくれたように。


私も、日下部くんの力になりたい。


日下部くんの笑顔を……本当の、日下部くんを知りたいと思うから。


だから―――――