「ほ、ほんとに、ごめんね?ケガ、してない?」


「……一応、無事」


「良かった……でも、ほんとにごめんなさい……」



本当に今更だけれど、そう言って、何故か俯いたまま視線を上げない日下部くんを覗き込むように見つめた。



「っ、」

「え?」



すると、何故か突然パッ……!と、身体を起こして私から距離を取った日下部くん。


え……な、何……?



「っ、だ、だからっ、近い……っ」

「え、え……ご、ごめんなさい……」

「べ、別に……っ、そうじゃなくてっ。何度も謝らなくていーからっ」

「……?」

「っ、」



そう言う日下部くんの顔は真っ赤に染まっていて、また視線は下へと逸らされた。


その仕草と様子に、やっぱり尻餅を付いた時に腰を痛めたんじゃないか……って。


思わずそんな事を心配したけれど、再び私から目を逸らした日下部くんは、もうそれ以上は何も言わずに立ち上がると、私に背を向けてしまう。