しなやかに揺れた、真っ白なカーテン。


その向こうから突然、つい先程夢の中でも聞いた艶のある声が聞えて、私は大きく肩を強張らせた。



「よ、陽くん!?美月、起きたよ!どうぞどうぞ、中に入ってくださいまし!!」


「……、」



ふわり、と。ミドリの声に答えるようにカーテンが静かに開き、そこから顔を出したのはやっぱり予想通りの日下部くん。


そんな日下部くんを前に、ニヤニヤと頬を緩ませたミドリは、未だにベッドの上で固まる私を見てとんでもないことを口にした。



「陽くんが来たならぁ、もう大丈夫だと思うしぃ。私はもう教室に戻るからぁ。あ、保健の先生も今日は出張でいないからぁ、帰り支度できたら保健室に鍵かけてぇ、職員室に戻してくれってぇ〜」


「…………は?」


「ほらぁ、私がいたらぁ、お邪魔だろうしぃ?」


「ちょ……、ちょっと待って、ミドリ、」