「なんだよー、日下部がいるなら今日の練習会も、もっと早くに――――」


「……悪いけど。俺は、もう、水泳とは一切関わり合いはないから」


「……え?」


「っていうか、もう二度と泳ぐつもりもないし―――今後も、関わるつもりもない」



凪いだ海のように酷く、静かに、冷たい声で。


ハッキリとそう言った日下部くんの言葉に、私の考えは一蹴された。



「……なんだよ、それ。関わるつもりもないとか、お前まさか未だにあの時の事――――」


「美月、行くぞ」


「……え、」


「……ミツキ?」



と。

続けてそう言った日下部くんの言葉に、私はもう何がなんだかわからずに、ただただ頷くことしかできなくて。


そんな私と日下部くんを交互に見た水嶋くんは、背を向けて校舎に歩を進める日下部くんへと声を張り上げた。