青空に通る声で、ハッキリとそう告げた日下部くんは、白坂さんを見て相変わらず眉間にシワを寄せていたけれど。
それに「……うんっ」と、涙声で、日下部くん同様、澄んだ空気に通る声で返事を返した白坂さんは、私の手を握り返すと静かに立ち上がった。
「おーい!愛美ちゃん!蜂谷さんも日下部も!アーチのことで作業の分担し直すから、委員長が早く来いって!」
そんな私たちの様子を見計らったかのように、昇降口から高橋くんの元気な声が響く。
私は、日下部くんの作ってくれた日陰に入ったまま、高橋くんに向けて手を振った。
と。
それと同時に、私たちより一歩前に出た白坂さんは、自分の腕で涙を拭うと真っ直ぐに前を向く。
「……ありがとう」
リン、と。鈴の鳴るような声は、確かに私たちの心に届いて。
そのまま振り返ることもなく、校舎に向かって歩いて行った白坂さんの背中を、やっぱり眩しく思いながら見つめていた。



