「っ、」
私の言葉に、怒りを滲ませていた彼女が、あからさまに怯んだ。
グッと唇を噛み締めて、誤魔化すようにフラフラと目を泳がせたあと、そのまま視線を足下へと落としてしまう。
そんな白坂さんの様子に、再び―――先程の、バラバラに壊されたアーチのことを思い浮かべた。
今日までの夏休み。大切な時間を費やして作った、私たちの努力の結晶。
その、最後のパーツが、あの作りかけのエンブレムだった。
エンブレムは、入り口を飾るアーチの大切な装飾品。
最近は作業に来ていなかったとしても、スポーツ祭実行委員として最初の説明を聞いていた白坂さんは、そのことを知っているはず。
そして……あのエンブレムを作っていたのが、誰なのかも。
毎日毎日、“ 彼 ”を見ていた白坂さんなら、知っていたはずだ。



