「っ、」
十数メートル先。突然名前を呼ばれたせいで、身体を大袈裟に強張らせた彼女はゆっくりと。
まるでスローモーションのように私の方へと振り向くと、驚きに目を見開いた。
「ミツキ、ちゃん……」
「……やっぱり。白坂さん」
視線の先。そこに立つ彼女は、酷く怯えた表情で私の方を見ると、スカートの裾をギュッと握った。
……手の中にある、可愛いイチゴのチャームの付いたヘアゴムを持つ手が、震える。
喉の奥が焼けたように熱くて、それでもなんとか白坂さんを引き止めなければと、私は再び声を張り上げた。
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