「……っ、ハァッ」
私の手の中で、確かに存在を主張する、ソレ。
ソレは私がこの一ヶ月で何度も目にしたことがあるもので、昨日までは確かに、あの場所に存在していなかったものだ。
「っ、」
真っ直ぐに階段を駆け下りて、息吐く間もなく昇降口までの廊下を駆け抜けた。
そして、つい先程通り抜けた下駄箱の前で足を止めると、ある人の靴箱を見て手を伸ばす。
――――まだ、温かい。
“ シラサカ ”と名札の付いた下駄箱に入れられた上履きは、まだ温もりを残していて。
慌てて視線を動かして、校門付近へと目をやれば――――
「白坂さん……っ!!」
そこに佇む人物を見つけ、私は精一杯の声を張り上げた。



