言いながら語尾を細めた先輩は、日下部くんの顔色を伺うように視線を動かしたけれど、それさえも気付かないといった様子の日下部くんは、壊されたアーチを一心に見つめていた。
「……くそっ、」
……あんなに、頑張って作ったのにね。
毎日毎日、一生懸命、やるからには良い物を作るんだ……って。
決して口には出さなかったけれど、日下部くんは確かにそう思いながら作業に没頭していたと思う。
時には面倒くさいなんて言う時もあったけど、今日まで一日だって休まなかった日下部くん。
アーチの色を塗る時や、装飾品を付ける時、楽しそうな顔をしていたのも何度も目にした。
そんな風に、大切な時間と想いを注いだものが、一夜にしてバラバラに壊されてしまった。
そんなことになったら、今の日下部くんのように……何もかもが嫌になって、投げ出したくなるのも仕方がないことだと思う。



