「な、泣いて、ないよ?」
「……は?それで泣いてないとか、よく言えるな」
「く、日下部くんこそ……暗くてよく、見えてないんじゃないの?私が……な、泣いてるように見えるなんて……。あ、あはは……ほんとに、おかし―――」
「……そうやって。馬鹿みたいに笑うなよ。今笑って誤魔化そうとしたら、俺はお前のこと絶対に許さないから」
「っ、」
「お前……馬鹿だよ。辛い時に、笑うなよ。泣きたい時くらい素直に泣けよ。それくらい……俺だって、受け止めてやれる」
「っ、」
―――その言葉と同時、喉の奥まで出かかっていた乾いた笑いは突然潤いを持ち、瞬く間に目には涙の膜が張った。
私を真っ直ぐに見つめる日下部くんから、目を逸らすことはできなくて。
ただただ眩しい彼を見つめれば、責められているはずなのに何故か守られているような気持ちになって……やっぱり、どうしようもなく泣きたくなった。



