「……っ、」
突然背後から声がして弾けるように振り向けば、そこには肩で息をする日下部くんが立っていた。
「え、日下部……?」
どうして……?どうして日下部くんが、ここにいるの……?
けれど、視線の先の日下部くんは、涙を堪えているせいで目が真っ赤になっているであろう私から一切目を逸らさずに。
人混みを抜けて真っ直ぐに、迷うことなく私へと向かってくる。
「――――、」
そんな日下部くんに、泣きそうになっていることを知られたくなくて。
今更遅いかもしれないけれど、慌てて視線を下へと落とした。
けれど次の瞬間、私の目の前で足を止めた日下部くんに、突然痛いくらいの力で二の腕を掴まれて――――
「……何、泣いてんだよ」
「っ、」
そのまま日下部くんの胸へと、身体ごと引き寄せられた。



