「あ、あの……俺、」
……ごめんね、高橋くん。
困らせちゃって、ごめんなさい。
本当は、こんなこと、言うつもりはなくて。
高橋くんが気を使って、励ますつもりで言ってくれたんだってこともわかってるの。
だから本当は、“ありがとう”って言って、いつもみたいに笑いたかったんだよ。
高橋くんが“可愛い”なんて言ってくれた、笑顔で。
そうだよね、って。気にしてる私って馬鹿みたいだよねって、一緒に笑い飛ばしたかった。
……だけど今、それができないのは、どうしてだろう。
いつものように、自分を取り繕うこともできないのは、どうして?
“ 無理して笑ってんじゃねぇよ ”
不意に思い出したのは、日下部くんのそんな言葉だった。
――――夏の夜。
それがあの日と同じ、私の心を、夢を“諦め”へと導いた、あの瞬間と同じだから?
“どうして自分が……”、と。
泣き腫らしたあの夜と、灰色に染まってカラッポになった心が、今の自分と重なってしまったから――――
「……っ、蜂谷っ!!」
私はこんなにも、現実に押し潰されそうになってるの?



