思わず何度も聞き返してしまった私に、日下部くんが怪訝そうに眉根を寄せた。


けれど、各言う私は、それどころではなくて。


確か聞き間違えでなければ破廉恥さん基(もとい)、日下部くんはニャンニャンしていた相手のことを、“ミィ”と呼んでいた。


ってことは、ニャンニャン相手の名前がミィちゃんってことで、だけどそのミィちゃんはこの黒猫ちゃんで、ということはニャンニャンしてたのは勘違いだけど本当は勘違いじゃなくて、つまるところ――――ああ、なんかもう訳がわからなくなってきた。



「……お前、さっきから一つも俺の質問に答えないくせに、逆に質問するとか頭可笑しいんじゃないか?」


「ううん、大丈夫です。私はいつも通りだし、寧ろいつもこんな感じだから、お気になさらず――――」



………って、あれ?


ヘラリ、日下部くんに笑顔を見せたと同時、グラリと大きく揺れた視界。


それに思わず壁に手をついたけれど、一足遅かったようで支えきれなくなった身体がゆっくりと倒れていく感覚が頭を過る。