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「……なんで、花火大会なんか行かなきゃいけないんだよ、面倒くさい」
「うう……ごめんなさい……。でも、断り切れなくて……」
「……ハァ、」
時刻は夕方の6時。
賑わう人混みの入口で、完全に不機嫌全開な日下部くんを前に、私はひたすら謝り続けるしかない。
結局あの後、日下部くんにお願いして、どうにか花火大会に来てもらうことになった。
だけど予想通りと言えば予想通り。
人混みや賑やかな場所が嫌いそうな、日下部くんは全然乗り気じゃないわけで……
まぁ……連日のスポーツ祭の準備作業で、ただでさえ貴重な夏休みを拘束されているっていうのに。
その作業終わりで、行きたくもないお祭りに付き合わされてるんだから、そりゃあ不機嫌にもなるだろう。
「つーか。そもそも、高橋がアイツを誘ってる時点で、高橋の気持ちは分かりきってんのに、アイツ以外のやつがいたら邪魔でしかないだろ。なんでわざわざ、高橋の恨みを買うようなことするんだよ」
「本当に、返す言葉がありません……」



