「っ、」 頭の中で言葉を並べたら、胸の奥が甘く痺れて。 それ以上、日下部くんを見ていることができなくなった。 思わず俯いて、膝の上に置かれた手でスカートをギュウっと掴む。 女の子を心配して声をかけてくれる、なんて。やっぱりそんなの、みんなの知ってる日下部くんじゃないよ。 みんなの知ってる、みんなが思い描いてる――――日下部くんじゃない。 でもそれは、みんなが知らないだけで。 本当の日下部くんは、きっと今、目の前で私のことを心配してくれる、優しい言葉をくれる日下部くんなんだと私は思う。