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「蜂谷。そこのペン取って」
「は、は、はい……っ!!」
ポスターカラーのブルーを手に取り日下部くんに手渡すと、指先と指先が触れ合った。
その不意打ちの温度に驚き、まるで静電気が起きた時のように慌てて手を引っ込めてしまったせいで、日下部くんの眉間にシワが寄る。
それと同時、カラン……と音を立てて足元に落ちたポスターカラー。
「何やってんだよ……」
「ごごご、ごめんなさい……っ!!」
本当に、何やってんの私……!
言いながら頭を下げて、慌ててそれを拾おうと手を伸ばせば――――届く直前。一足早く日下部くんの手がポスカを攫って私の手は空を切った。
「……お前、さっきから挙動不審過ぎない?」
「っ、」
そのまま下から覗き込むように見上げられ、私は思わずゴクリと喉を鳴らした。



