そう言うと眉を下げ、儚げに笑った白坂さんを前に、心を貫かれたような気分だった。
……どうして?
本当なら白坂さんに対して罪悪感が募るはずなのに……何故か私の胸は、全力疾走をした後のようにドキドキと高鳴っていて。
日下部くんが、私にだけ優しい……?
たった今、白坂さんに言われた言葉が頭の中に何度も何度も木霊する。
――――だけど、確かに。
改めて言われてみれば、私と付き合う以前から、日常生活で日下部くんが女子と話してるところは皆無と言っていいほど見たことがなくて。
教室に日下部くんを見に来た女の子たちがいても、今の白坂さんに対するように完全無視を決め込む日下部くん。
でも……私には、自分から話しかけてくれたり……カルピスをくれたり。
帰り道を送ると言ってくれたり、さっきみたいに質問を投げ掛けてくれたり。
それは多分だけど、偽彼氏としての責任感というか、そういうものだろうと思ってた。
意外にも義理堅い、黒猫ミィちゃん想いの日下部くんの責任感と使命感のせい。
「ねぇ、ミツキちゃん?日下部くんは、どうしてあんなにミツキちゃんのことを想ってくれてるのかな?」
……っていうか、それ以外に考えられない。



