「……はぁ、」



午前中とは思えない程強い日差しと、追いかけて来るような夏の暑さ。


学校に着いてから、さしていた日傘を畳むと、それを空きだらけの傘立てへと無造作に立て掛けた。



「……お前、ホント、いつも暑そうだな」


「っ、く、日下部くん!?」


「女って、なんでそんなに日焼けするのが嫌なんだよ。別に……夏なんだし、少しくらい焼けてもいいだろ」



そんな一連の動作をまさか、見られているとは思わなくて。


視線を慌てて上げれば、そこには気怠そうな日下部くんが、呆れたように私を見ていた。


だけどその、呆れ半分、非難半分に私を見るその目が――――思わず、過去の記憶を呼び起こす。