「……草むしりって、案外疲れるし。プール周りって、何故かしつこい雑草が多いんだよな」


「そうそう……プール周りはこまめに草むしりしないと、あっという間に草ボーボーになるから――――っ!?」


「まぁ……熱がある訳じゃなさそうだけど。お前って……基本、体温高いな?」



ヒタリ。

不意に、額にあてられたのは、日下部くんの掌。


更に、覗き込むように見つめられたものだから、今度こそ私は仰け反るように日下部くんから距離を取った。



「わ、わぁっ!?」


「……なんだよ、」


「い、いきなり、そんなドアップ……!心臓が爆発するかと思った……!」


「悪いのは具合じゃなくて、頭の方か……?」



ハァ……、と。溜め息を零した日下部くんを前にしても、未だにドキドキと高鳴る心臓は、少しも治まってはくれる気配がない。