「こんな、ところで…倒れてる…訳には……」 そう呟いたあと、少女は何も話さなくなった。 肩が動いていることから息をしていることはわかるが、とても弱々しい。 しかし、少女を助けに来るものは居ない。 何故なら、ここは“迷いの森” 羽のある妖精や精霊、空を飛ぶ魔法の使える上級魔法使い、もしくは、自力で道を切り開くことができるかなりの強者でない限り突破することは出来ない 近くの村や国では“死の森”とまで言われるほど深く広い森なのだ。 そんな森に好き好んで入る人など居ない。