「何なんだよ…」

泣きながら走っていく姫さんを見ながら俺は呟いた。

いや…何かなんて分かりきった事じゃないか

「また、やっちまったのか…」

昔からよく言われていた。
お前は言葉が足りなすぎると
そのせいで、多くの人を泣かせた。
誰も泣かせたくなかったのに…。

「なおしたつもりだったんだけどな…」

俺は目を閉じ俯いた。
頭の中で昔言われた言葉が再生されていく

『ヴィル、あんたは面倒くさがって言葉を使わなすぎてるのよ』

『ちゃんと思いを伝えないと誤解され続けるぞ?』

『お前本当はすげぇいいやつなんだから、もうちっと気持ちを伝えろよな』

『オレ達は知ってるからいいが、知らん人にやったら泣かれるぞ?それは嫌だろ?』

『言葉、足りないのダメ。ちゃんと言わなきゃダメ。』

『言ってもらわないと分からないことが多いんです。きちんと話しましょう?』

散々言われてきたじゃないか…。なのに…