「あんたの考えはわかってるよ!!」
ヴィルさんは、私の前で初めて声を荒らげました。
「でも、それを俺に話したって仕方ないだろ!?
世界統一をしようとしてるのはあんたが王女の国なんだ。
今言ったことを王様にでも何にでも話せばいいじゃないか!
俺に言ってどうして欲しいっていうんだよ!俺に世界の人達を全員守れっていうのか?
そんなの無理に決まってるだろ!!」
ヴィルさんが言っている事がグサリグサリと私に刺さります。
分かっています。
自分がしようとしていることが、どれだけ馬鹿げているかなんて…
私一人で世界中の人たちを守ることなんて出来るわけがない。誰かを守ろうとすれば誰かを犠牲にしなければならなくなる、そんな事…そんな事…



