姫と王国と7つの大罪人


「あんたの考えはわかってるよ!!」

ヴィルさんは、私の前で初めて声を荒らげました。

「でも、それを俺に話したって仕方ないだろ!?

 世界統一をしようとしてるのはあんたが王女の国なんだ。

 今言ったことを王様にでも何にでも話せばいいじゃないか!

 俺に言ってどうして欲しいっていうんだよ!俺に世界の人達を全員守れっていうのか?

 そんなの無理に決まってるだろ!!」

ヴィルさんが言っている事がグサリグサリと私に刺さります。

分かっています。

自分がしようとしていることが、どれだけ馬鹿げているかなんて…

私一人で世界中の人たちを守ることなんて出来るわけがない。誰かを守ろうとすれば誰かを犠牲にしなければならなくなる、そんな事…そんな事…