姫と王国と7つの大罪人


「フーン」

私の話を聞いてヴィルさんが発したのはそのたった一言…いえ、一言にもなっていないかったるそうな声でした。

「フーンって…ヴィルさん、わかってるんですか!大変なことなんですよ!!」

「…まあ、そうだな」

「な、な、な」

なんて人でしょう!世界の一大事を『まあ、そうだな』なんて…信じられません!

「貴方にはこの世界を守ろうという意志がないのですか!」

「無い」

キッパリとハッキリとヴィルさんは言いました。

「どうしてですか!?世界統一なんて本当にあっていい事だと思うのですか!?」

「どうでもいい」

本当にどうでもよさそうに冷たくヴィルさんは言い放ちました。

「どうして?どうしてそんな事がサラッと言えるんです?多くの犠牲者が出るんですよ」

「……誰もが姫さんと同じ考えだなんて思わないほうがいい」

ヴィルさんは何かを思い出すように空を見上げながら言いました。