「フーン」
私の話を聞いてヴィルさんが発したのはそのたった一言…いえ、一言にもなっていないかったるそうな声でした。
「フーンって…ヴィルさん、わかってるんですか!大変なことなんですよ!!」
「…まあ、そうだな」
「な、な、な」
なんて人でしょう!世界の一大事を『まあ、そうだな』なんて…信じられません!
「貴方にはこの世界を守ろうという意志がないのですか!」
「無い」
キッパリとハッキリとヴィルさんは言いました。
「どうしてですか!?世界統一なんて本当にあっていい事だと思うのですか!?」
「どうでもいい」
本当にどうでもよさそうに冷たくヴィルさんは言い放ちました。
「どうして?どうしてそんな事がサラッと言えるんです?多くの犠牲者が出るんですよ」
「……誰もが姫さんと同じ考えだなんて思わないほうがいい」
ヴィルさんは何かを思い出すように空を見上げながら言いました。



