鬱蒼とした森の中を1人の少女が道なき道を歩いていた。 歳は16くらいだろうか 何時間…もしくは何日の間、森を歩いていたのか、身につけている洋服や髪は汚れ乱れている。 「はあ…はあ…」 息も切れ切れにひたすらに森を進んでいく。 この世界では珍しい焦げ茶色の髪には木の枝や葉が絡み、雪のように白い肌には泥やいくつもの傷が付いているにもかかわらず、少女の気品の良さは衰えることを知らず育ちが良いことがうかがえた。