「わ、私は…」
「ハルカ=メグ=コールドネス、ルーシュの国の第二王女様だろ?」
かったるそうにヴィルさんが呟きました。
「…知ってたんですか?」
「今の今まで忘れてた」
「ちょっと、ちょっと!この怠け者が言ってることホントなのかよ!?」
カインさんがガタガタッと立ち上がりながら大声を出します。
「…はい。わけあって王国から逃げ出してきたんです…」
「マジかよ…」
そう呟いたカインさんはハッとしたように私を見て
「いや…その…マジ…ですか?ハルカ…様?」
「敬語じゃなくて結構ですよ」
「そ、そうか。すまない、敬語はどうも苦手でな…」
苦笑するカインさんに私は微笑みました。
敬語で話されるのはいつもの事なのですが、こういうふうにタメ口で話してもらう事にちょっとした憧れを持ってしました。
内心、嬉しいんです。