「今、この世界は大変なことになってしまっています。」

私は話を切り出しました。

「世界で一番の大国ルーシュの国が武力による世界統一を目指し始めたのです。

 ルーシュの国の主力軍人の一人にして国最強の戦士と言われているレベック=セラ=インフェルノが指揮をとっています。

 毎日のように他国へ大砲を撃ちこみ、軍人を送りつけ、言うことを聞かない国は滅ぼしてしまおうとしているんです。」

「そんなこと、国王が許すとは思えないねぇ」

「ソフィさんの言うことも最もです。ですが…今ではレベックは国王よりも力を持っています。

 前国王の時代なら止めることができたでしょうが、今の国王になったのはたった5年前…7つの大罪人がやってきた時からです。

 ずっと王国の主力として活躍してきたレベックを超える力を今の国王は持っていないのです。」

「ハルカは随分と物知りだにゃ。そんなことどうして知ってるんだにゃ?」

ルーニャさんの言葉に一瞬言葉が詰まりました。