間近で見たヴィルさんはとても不思議な雰囲気を持つ男の人でした。
少し長めの紺色の髪に黒いマント。歳は20代くらいでしょうか。背が高くてとても優しげな人でした。
「何?」
まじまじと見過ぎたからでしょう。ヴィルさんは不機嫌そうに言いました。
「あ、いや、その…」
なんと言えばいいのかさっぱり分かりませんでした。ただただ、顔に血が集中して行くのを感じます。
「あんたもソフィのところに戻るのか?」
そんな私を気にせず、ヴィルさんはあくび混じりに問いかけてきました。
「は、はい!」
「ふーん」
聞いてきた割には特に興味はなさそうです。ヴィルさんはスタスタと歩いて行ってしまいました。
「ま、待ってください!」
私はヴィルさんの背中を追いかけました。



