「すみません、取り乱してしまって…」
ソフィさんが貸してくれたハンカチで涙を拭きながら私は言いました。
「何があったのかは聞かないさ。人の過去に干渉しないってのがこの村のたった1つのルールだしね。
それよりも、腹減ってないかい?他の奴らもいるけど愉快な奴らだし、もし良かったら食べないかい?」
「そんなことまでして頂くわけには…」
それはとても嬉しい誘いでしたが、そこまでして頂くのは申し訳なく思えました。
ぐぅーー。
しかし、どれだけそう思っても身体は正直です。
顔に血が集中し、赤くなるのを感じました。
「遠慮なんてする必要ないさ。おいで」
「すみません、ありがとうございます…」
可笑しそうに笑うソフィさんに、言葉が語尾になるに連れて小さくなっていきました。
私は棚に置いてある自分のかばんを肩にかけてソフィさんに続きました。