「そ、そりゃよかった」
んもぅ!とことんムカつく奴だ。
「お前は頭良いもんな~」
美紅が羨ましいそうな目で大樹を見ていた。
「まぁな~」
それに嬉しそうに答える大樹。とことんバカだ…こいつは……
「じゃあさ~」
なぬっ!?美紅がとてつもなくニヤニヤしている…怪しい……
「二人で出掛けてくれば!?」
なにを言い出すのかと思えば…
「は?なんで二人で行かなくちゃならないの?」
「なんでそんなに嫌そうなのさ、梨央~」
「別にっ、嫌な訳じゃっ!」
私の言葉にさらに美紅のニヤニヤが増す。
怖い………
「じゃあ、いいじゃん!ねっ!大樹!」
「ん?あ、あぁ」
「じゃ、決定!」
――同じようで、いつもと違う夏休みが――今始まる

